ボーイスカウトを理解する団委員 山口 功(1997/11記:当時CS隊長)皆さんは「ボーイスカウト」にどのようなイメージをお持ちでしょうか? ボーイスカウトの創始者はイ ギリスのべーデンパウエル卿という人です。ベーデンパウエルは19世紀末の英国軍人で、当時のアフリカ における数々の戦いで輝かしい成果を残しました。 彼は退役した後、アフリカ時代に学んだ偵察技術が子供達の遊びに転用できないかと考え、ある島で子供 達とともに実験キャンプを行いました。これが広く子供達に受け入れられ、また、当時の世相ともマッチし ていることから瞬く間に英国全土に広がり、見る見るうちに世界へ広がっていったのです。1907年にイ ギリス連盟が発足し、そのわずか4年後には日本連盟が発足しています。 実験キャンプの基本となった偵察技術は、別名で斥候術ともいい、英訳すると「scout」となりま す。これがボーイスカウトの語源となっているわけです。通常「スカウト」という意味は斥候及び偵察以外 には用いられませんが、ボーイスカウトにおける「スカウト」は、「あらゆることに注意を払い、何事が起 こっても動じず、正しい判断を下す」または「・‥下せる人」の様に拡大解釈して考えます。これが、ボー イスカウトの標語「備えよ常に」(Be Prepared)につながっているわけです。 ポーイスカウト運動の大きな特徴として、「班制度」と「進歩制度」があげられます。 これは、程度の差はあれども世界共通のものです。班制度とは、それぞれ特質が異なる世代層ごとに異年 齢構成のグループをつくり、その中で、協調性を養い、自己に与えられた役割を遂行し、子供達自身の世界 を築き上げてゆこうとするものです。その過程で、班内の年長者はリーダーシップをとることを学び、その リーダーシップのもとに他のスカウトが活動してゆきます。これは、子供の世界の中で、実社会をシミュレ ーションしていることに他なりません。 「進歩制度」とは別名バッジシステムともよばれ、自己の設定した目標が達成されると、その名誉の印と してバッジが投与され、制服につけるものです。カブスカウトであればクリア章とチャレンジ章、ポーイス カウト以上であれば各級章、特修章、並びに技能章がこれに当たります。この進歩制度は、スカウトの積極 性を育成するとともに、ボーイスカウトのカリキュラムに従って、社会生活に必要な知識や技能、及び、自 己が興味を有する各種分野の掘り下げが経験できるようになっています。 ボーイスカウト活動は、現在の学校に見受けられる知識教育ではなく、情緒教育の場であるともいわれて います。スカウトは入団するときに必ず、誓いをたてます。「神(仏)と国とに誠を尽くし、おきてを守り ます。いつも他の人々を助けます。体を強くし、心を健やかに徳を養います。」というのがそれです。この 「誓い」によって、生き方の骨格を自分自身に刻みつけようとしています。 これに付随した具体的な事項を示したものが、「おきて」で、誠実である、友情に厚い、礼儀正しい、親 切である、快活である、質素である、勇敢である、感謝の心を持つなとが掲げられています。カブスカウト では、「ちかいとおきて」のかわりに、「やくそくとさだめ」が年齢に即した形で存在します。誓いをたて たからといってこれらの全てを実行できるとは限りませんが、生き方の目標として掲げ、それにより、スカ ウトの目標である「よき市民」になり、モットーである「日々の善行」を行おうと心がけるものでありま す。 |